藍の抗菌作用
古くから徳島県の名産品として名高い藍染め
その藍は、かつては徳島県の広い範囲で栽培されていました。
その藍に含まれる成分についていくつかの文献があります。
1.タデ藍水抽出エキスの歯肉の炎症に対する効果
タデ藍は染料用植物としてよく知られている一方で, そのエキスが抗炎症作用および歯周病原因菌に対する抗菌作用を有することも明らかにされている。本研究の目的は, このタデ藍水抽出エキスを用いて, 歯肉の炎症に対する効果を調べることとした。
本 研究は, 病状安定期(SPT期)にある慢性歯周炎患者30名を対象とした二重盲検法にて実施した。被験者は, 10週間にわたって, 1日3回食後の口腔清掃後に, タデ藍エキス含有ジェル1 gを歯肉に塗布した。開始前, 5週目および10週目に, 被験歯4歯のプラーク指数(PlI), プロービングポケット深さ(PPD), およびプロービング時出血(BOP)を評価した。また, 同時期に歯肉溝滲出液(GCF)を採取し, その重量とTNF-α濃度を測定した。
被験者全体でみると, タデ藍水抽出エキス含有濃度に関わらず経時的にPlIおよびBOPが減少する傾向にあった。一方, 開始時の平均PlI が1.5以上の被験者に絞ってみると, 含有濃度依存的に経時的にBOPが減少する傾向にあり, また, GCFの重量は, 高濃度群で経時的に有意に減少し, かつ10週目において対照群および低濃度群と比較して有意に低値を示した。なお, いずれにおいてもPPDおよびGCF中のTNF-α濃度には変化が見られなかった。
以上の結果から, タデ藍水抽出エキスは自身での清掃が十分でない人への応用が有益であり, 歯肉の炎症を抑制する可能性が示唆された。
日本歯周病学会会誌(日歯周誌)50(3) : 167-175, 2008 |
2.阿波藍に含有される有用微量成分の有効利用に関する研究
最近、藍の成分の分子化学研究が進み,その関係の情報が集積されつつある。それらには発ガン抑制,対ピロリ菌活性,アトピー抑制,抗炎症作用等があり,主として藍含有の芳香族含窒素複素環化合物の作用によることが明らかにされている。 |
トリプタンスリンが TSLP のダウンレギュレーションを介してアトピー性皮膚炎の治療薬になる可能性を示唆するものである |
古文書 |
古い文献の『和漢三才図会』阿波の藍の記述があります。
『和漢三才図会』(わかんさんさいずえ)は、寺島良安により江戸時代中期に編纂された日本の類書(百科事典)。正徳2年(1712年)成立。
「神農本草経」にタデ科の藍の実についての記述があります。
「藍実、味は苦、寒。平沢に生ず。諸毒を解し、寄生虫、蚊、注鬼(肺結核)の毒の殺す。久しく服せば、頭は白からず、身を軽くする。」
『神農本草経』しんのうほんぞうけい、は、後漢から三国の頃に成立した中国の本草書。
365種の薬物を上品・中品・下品の三品に分類して記述している。上品は無毒で長期服用が可能な養命薬、中品は毒にもなり得る養性薬、下品は毒が強く長期服用が不可能な治病薬としている
Wikipediaより |
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